ヨハン早稲田キリスト教会で行われた、スキット(寸劇)の台本(シナリオ)をご紹介。

呼ばれましたか?あなたの名前( 通関を待つ人たち)

ヨハン早稲田キリスト教会で行われたスキット。二人の人が、それぞれの事情をもって天国の入り口にやって来ましたが・・・。


沢山のものを準備した男とただ1つのものを準備した女、どちらがその場所に行けるのか? 

2002.4.7 

男性:佐藤純一
女性:山田愛子
   (仮名)
名前を呼ぶ声

=====



舞台が明るくなったら佐藤純一が前に立ち、いらいらしな がらアナウンスを聞いている。

アナウンス:スズキジロウさん、タナカハナコさん、ヨシ ダタケオさん。

愛子:(舞台を横切り、登場)わぁー、きれーい!(純一 を見て)あの、この席空いてますか。

純一:(無関心で聞こえなかったように)えっ?

愛子:(元気よく)ここ座ってもいいですか。

純一:ええ、どうぞ。

愛子:(ベンチに座って、観客を見ながら)本当に人が多 いですね。(純一を見て)あの、お一人ですか。

純一:(また聞こえなかったように)えっ?

愛子:お一人でいらっしゃったんですか。

純一:(面倒くさそうに)ええ。

愛子:(席を立ち、前に出て)わあー、すごーい。話には 聞いていたけど、想像より人が多いんですね。

純一:えっ?

愛子:どのくらい待ったんですか。

純一:2、3 時間くらいかな。

愛子:えー、そんなにかかるんだ。じゃ。座って待ってよ ーっと。

(あくびをする)あーあ

純一:(いらいらして)あの、ちょっと静かにしてもらえ ませんか。

愛子:(下を見て、すまなそうに)・・・

純一:(悪かったように)いや、あの、話し掛けられると 自分の名前が聞こえないんですよ。

(ベンチに座る)

愛子:(開き直って)お名前は?

純一:あ、佐藤純一。サ・ト・ウ・ジュ・ン・イ・チ。よ ろしく。

あの僕の名前が呼ばれたか一緒に聞いてもらえま すか。

愛子:ええ、私の名前は、山田愛子。よろしく。

アナウンスが流れ、二人ははっとそちらを振り向いて立ち 上がる

アナウンス:サトウカズコさん、ナカムラミカさん、フジ ワライチロウさん。

再び二人は席に座る

純一:あのー、ここにはどうやって来たのですか。

愛子:自動車事故。正面衝突。

純一:(ギョッとする)・・・

愛子:あなたは?

純一:心臓麻痺で。

愛子:本当。(かわいそうな思いで)まだ若いのに・・・。

アナウンス:OO さん、OO さん。

純一、愛子、アナウンスが聞こえると、はっと立ち上がり、 そちらを向く

愛子:(アナウンスの方を指差し)あの、

あそこをずっと 歩いていけば着くんでしょう。

純一:そう、そうなんですよ。名前が呼ばれたら、

あっち にまっすぐ行けばいいんですよ。

愛子:あー、どきどきする!

純一:(ベンチに戻りながら)あーあ、私は準備万端なん ですけどね。

(ベンチの横にあったかばんを取り出し、ひざの上に)ジ ャジャジャーン!

愛子:これ、何ですか。

純一:いやあ、あそこを通過する時に、見せるんですよ。
まっ、保証書みたいなものですよ。
でも、いざ急に来てみると、何の準備もできてなくて・・・。

愛子:(興味深くかばんをじろじろ見て)その中何が入っ ているんですか。

純一:いやあ、まっ、僕の人生記録みたいなもんですよ。
例えば・・・
(愛子が中を見ようとした時、ばさっとふたを閉める)で も、

何か自慢しているみたいでいやだなぁ。見せましょうか 。

愛子:(嬉しそうに)ええっ!

純一:(てれながら)別にたいしたものじゃないんですけ どね。

(メダルを取って)実はこれ、小学校の時の皆勤賞のメダ ル。

これ、とるの難しかったんですよ。

愛子:(メダルを自分の首にかけてしまう)へぇ?。

純一:これは、友達について行って寺に通いながら覚えた 般若心経。

あーみーだーぶつ・・・

愛子、嫌がる顔をしている

純一:あっ、これ。高校の聖書暗証大会でもらったトロフ ィー。

愛子:(トロフィーを手にとって)かわいいー!宗教心が 深いんですね。

(かばんの中から冊子を見つけて)これ、 何ですか

純一:深いも何も、このために備えてきたんですから。あ っ、これ法事マニュアル。

愛子:へえ、そんなのあるんだ。

純一:これ間違えたら大変なんですよ。

愛子:ご両親は?

純一:二人とも生きていますよ。(かばんから写真を取り 出し)これ、母が 50 歳の時の写真ですよ。

愛子:(感心しながら)親孝行なんですね。

純一:(てれながら)いやあ・・・。

愛子:本当に模範的な人生を送っているんですね。

純一:(立ち上がり、前に出て行く)あーあー、くやしい な。

まだやりたいことたくさんあったのにな。

愛子:何をもっとやりたかったんですか。

純一:(私の方を振り向いて)何をしたかって。

お金を貯 めて、家を買って、昇進のためゴルフも習ったのにな。

愛子:人間、最後は皆死ぬんですよ。

純一:そ、そうだね。

アナウンス:タダノミチオさん、ミズノマリさん、ヒノユ ウコさん。

(純一、愛子はアナウンスの方を向く)

純一:おかしいな。

愛子:(立ち上がり、純一と同じくらい前にでる。)あの、 今日はなんか忙しいみたいですよ。

純一:そうなんだ・・。(愛子が何も持っていないのを不 思議に思い)かばんは?

愛子:かばん?私何も持ってませんよ。

純一:もってない?それじゃ、あそこをどうやって通る の?

愛子:えー、通れないのかな。

純一:えっ、だって、あそこを通るにはそれなりの代価を払わなければいけないんだよ。

愛子:(純一を見て)あなたはまだ知らないみたいですね。
(前を見て)私、もう代価を支払いました。

純一:払った?誰があなたのために払ったって言うんだ。

愛子:イエス・キリスト。私、イエス・キリストを信じて いるから。

アナウンス:OO さん、OO さん、山田愛子さん。

愛子:(とても喜んだ表情)わー、私の名前だ。(アナウン スの方へ走り出す)

純一が、愛子の腕をつかむ

純一:ちょ、ちょ、ちょっと待って。どうして、私が先に 着たのに、あなたが先に呼ばれるの?

愛子:え、わかりません。じゃっ、さようなら。

純一:(動揺して)えっ・・・

(愛子、純一の方に振り返り、首にかけていた皆勤賞のメ ダルを純一に返し、お辞儀をしてかけていく)

(純一、一人取り残される。 音楽が小さくなる)

純一:(大きな声で)あのー、そっちに行ったら、私のこ とを伝えてくださいよー。

私の名前は佐藤純一ですよー。

(愛子が走っていった方を何度も見ながら、ベンチに戻る。

ぶつぶつ言い、首をかしげる)

純一:おかしいな、かばんも準備したんだけどな。

<完>


アレンジバージョンが、動画で見られます。

2011.01.30 


このブログ記事について

このページは、ヨハン早稲田キリスト教会が2011年11月24日 12:12に書いたブログ記事です。

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